暗号資産の税金はどう計算する？事例でわかる簡単シミュレーション

 

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。

暗号資産の税金とは？(おさらい)

暗号資産（仮想通貨）で得た利益は、日本の税法上「雑所得」として扱われます。この雑所得は総合課税の対象となり、他の所得（給与所得や事業所得など）と合算して課税されます。
所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えるほど税率が高くなります。また、住民税は一律10%が課されます。さらに、所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が加算されます。
これらを合計すると、最大で約55.945%の税率が適用されるため、注意が必要です。

税金の計算の流れイメージ

税金計算の流れは、まず会社の給与や副業、暗号資産などの所得を合算し、そこから医療費控除や配偶者控除などの所得控除を差し引いて課税所得額を算出します。
その後、税率をかけて所得税額を計算し、住宅ローン控除などの税額控除を適用して最終的な申告納税額を決定します。
損益計算や繰越控除を活用すれば、特定の所得内での損失と利益を相殺できますが、暗号資産の損失は他の所得と相殺できないため注意が必要です。

具体的な税金の計算例

例えば、会社員のAさんが年収500万円で、暗号資産の取引で年間1,000万円の利益を得た場合を考えてみましょう。

STEP1.総所得金額の計算

• 給与所得(会社の給料)：500万円
• 暗号資産の利益：1,000万円
• 合計(総所得、合計のもうけ)：1,500万円

STEP2.課税所得金額の計算

給与所得控除や基礎控除などを差し引きます。
※控除とは：税金を計算するときに、お金を引いて支払う税金を少なくする仕組みのこと

仮に給与所得控除が140万円、基礎控除が48万円とすると：
課税所得 = 1,500万円 – 140万円 – 48万円 = 1,312万円(これが税金を計算するための金額)

STEP3.所得税額の計算

所得税は累進課税で、課税所得に応じて税率が異なります。

• 195万円以下の部分：5%
• 195万円超～330万円以下の部分：10%
• 330万円超～695万円以下の部分：20%
• 695万円超～900万円以下の部分：23%
• 900万円超～1,800万円以下の部分：33%

1,312万円を上の表に当てはめて計算すると：

• 195万円 × 5% = 9.75万円
• (330万円 – 195万円) × 10% = 13.5万円
• (695万円 – 330万円) × 20% = 73万円
• (900万円 – 695万円) × 23% = 47.15万円
• (1,312万円 – 900万円) × 33% = 135.96万円

合計：9.75万円＋13.5万円＋73万円＋47.15万円＋135.96万円＝
279.36万円

STEP4.復興特別所得税額の計算

所得税額に対して2.1%が加算されます。

279.36万円 × 2.1% = 約5.87万円

STEP5.住民税額の計算

課税所得に対して一律10%が課されます。

1,312万円 × 10% = 131.2万円

STEP6.総税額(申告納税額)の計算

1. 所得税：279.36万円
2. 復興特別所得税：約5.87万円
3. 住民税：131.2万円
4. 合計(総税額)：約416.43万円　←申告納税額

実効税率（総税額 ÷ 総所得）：416.43万円 ÷ 1,500万円 ≈ 27.8%

最終的に、Aさんの手元に残る金額は： 1,500万円(総所得) – 416.43万円 = 1,083.57万円

暗号資産の利益に対する税金概算表

年収と暗号資産の利益から税金額の概算を出すことができます。自分の年収と利益からまずはざっくり税金を把握するのも良いかもしれません。

まとめ

暗号資産で得た利益には、所得税、復興特別所得税、住民税が課されます。
累進課税制度のため、利益が大きくなるほど税負担も増加します。今回の例では、総所得1,500万円に対する実効税率は約27.8%となり、実際に手元に残る金額がどの程度になるのか事前に把握しておくことが重要です。

暗号資産投資では、税負担を考慮した資金管理が必要になります。例えば、

• 損失が発生した年は、利益と相殺することで節税できる可能性がある
• 必要経費として計上できるものがあるか確認する
• 一定額以上の利益が出た場合は、税理士に相談する

適切な税金計算と申告を行い、計画的に暗号資産投資を続けましょう！

この記事を書いた人